金山寺味噌とはどのような味噌なのかご存知でしょうか。
「金山寺味噌のお土産をいただいた。嬉しいけど食べ方がわからない。」なんてことはありませんか?
そこで今回は、金山寺味噌とはどのような味噌なのか、食べ方や作り方とともにご紹介します。
さらに、もろみとの違いもご紹介!
ぜひ参考にしてください。
金山寺味噌とは?
金山寺味噌とは、味噌を作る時に、米や麦、大豆などの穀物以外にキュウリやなす、瓜などのさまざまな野菜を入れて熟成・発酵させた味噌のことです。
他にも、市販の金山寺味噌の中には、紫蘇や生姜が入っている金山寺味噌もあります。
例えば、こちらの金山寺味噌には生姜が入っています。↓
金山寺味噌は保存食(おかず味噌)?
金山寺味噌は保存食です。
「おかず味噌」として作られたのがはじまりです。
金山寺味噌は、調味料として味噌汁などに使う味噌とは違う目的で作られた味噌。
もともとは、お寺で夏の野菜を冬に食べるための保存食「おかず味噌」として、として作られたのです。
つまり、金山寺味噌(きんざんじみそ)は、調味料ではなくそのまま食べることができるおかず味噌だといえます。
金山寺味噌(きんざんじみそ)のように、そのまま食べる味噌のことを「なめ味噌」とも呼びます。
金山寺味噌は熟成・発酵期間が短い
また、普通の味噌に比べて、金山寺味噌は、熟成・発酵期間が短いのも特徴です。
普通の味噌の場合、短くても半年程度は熟成・発酵させる必要があります。
でも、金山寺味噌は、早ければ1ヶ月程度で食べることができます。
夏に収穫した野菜を使って金山寺味噌を仕込んでおく。
すると、「ちょうど冬になる頃には食べられる状態になっている」ということですね。
もともと和歌山県で作られた金山寺味噌
日本ではもともと、和歌山県で作られたという金山寺味噌。
鎌倉時代に、宋の径山(きんざんじ)での修行を終えて帰国した覚心(法燈国師)によって和歌山県の興国寺に伝えられたといわれる説が一般的に知られる由来です。
また金山寺味噌は、空海(弘法大師)によって伝えられたといわれる説もあります。
現在、金山寺味噌は、和歌山県・千葉県・静岡県・岡山県など、全国各地で作られています。
和歌山県では、金山寺味噌は特産品として和歌山県推薦優良土産品に指定。
紀州金山寺味噌と呼ばれています。
そして、千葉県でも、金山寺味噌は特産品・推奨土産品とされています。
米、裸麦、だいずを主原料に、きゅうりやなす等の野菜を入れ、麹で発酵させた発酵食品で、なめみそ(調味料ではなく食品として食べるみそ)の代表的なもの。 鎌倉時代に、宋の径山(きんざんじ)での修行を終えて帰国した覚心(法燈国師)によって和歌山県の興国寺に伝えられたといわれる。
出典元:実教出版編集部(2019年)『オールガイド食品成分表2019』 実況出版.
金山寺味噌の読み方は?
金山寺味噌の読み方は「きんざんじみそ」です。
ちなみに、「金山寺味噌(きんざんじみそ)」と呼ばずに、「金山寺(きんざんじ)」と呼ぶことも。
では金山寺味噌はどのような味なのでしょうか。
金山寺味噌の味は?
金山寺味噌の味は、ひとことで言うと「甘辛い味噌」です。
「甘辛い味噌」になる理由は、多くの金山寺味噌には、砂糖や甘味料などが入っているからです。
砂糖や甘味料などが入っている点は普通の味噌と違いますね。
といっても、金山寺味噌の味は甘辛いだけではありません。
金山寺味噌には野菜が入っているせいか、コクや深みがあります。
発酵食品独特の風味もほのかに感じます。
さらに、麦などの穀物と野菜の食感も楽しめる金山寺味噌は、ついつい食べ過ぎてしまう美味しさ♪
まさに、おかず味噌!なめ味噌!という味です。
あなたも一度、金山寺身をを食べてみてください↓
では、金山寺味噌はどのように食べるのが良いのでしょうか。
次に、金山寺味噌の食べ方を見てみましょう。
金山寺味噌の食べ方は?
先ほどお伝えしたように、金山寺味噌(きんざんじみそ)は、調味料ではなくそのまま食べることができるおかず味噌(なめ味噌)。
このため、そのまま野菜などにつけて食べるのが一番おすすめの食べ方です。
他にも、さまざまなアレンジレシピがありますのでいくつか挙げてみました。
- そのままご飯のお供として
- おにぎりに入れる
- おにぎりに乗せて(塗って)軽くあぶる
- 冷奴に添える
- お粥のトッピングにする
- お茶漬けのトッピングにする
- マヨネーズと混ぜてディップにする
- チーズやきゅうりに乗せる
- 鶏肉や豚肉の味噌漬けに
- 炒め物や焼きそばの味付けに
ザッと挙げただけで、上記のように10通りの食べ方が♪
金山寺味噌は、和洋中に限らず、さまざまなアレンジレシピに使うことができる万能な味噌といえるでしょう。
例えば、「冷蔵庫にもやししかないっ!」という時にも、ゆでもやしに金山寺味噌を添えれば、簡単な箸休めの一品になります^^
さまざまなアレンジレシピに使うことができる金山寺味噌は、家でも作ることができます。
続いて、金山寺味噌の作り方を見ていきましょう。
金山寺味噌の作り方は?
たくさんの具が入った金山寺味噌の作り方には、さまざまなレシピがあります。
ここでは、金山寺こうじを使った金山寺味噌の作り方をご紹介します。
まずは、材料と用意するものから見ていきましょう。
金山寺味噌の作り方・材料と用意するもの
金山寺こうじを使って金山寺味噌を作る場合、材料と用意するものは次の通りです。
- 金山寺こうじ:500g
- 塩:75g
- 野菜:生の状態で250g
- 昆布:50g
- 砂糖:150g
- 消毒用の焼酎:適量
- ボウル(金山寺こうじと塩などを混ぜるため)
- 漬け込み用の容器
- 重石:2kg程度
※上記の分量はあくまでも目安です。
消毒用の焼酎は、霧吹きに入れると使い勝手が良く便利です。
漬け込み用の容器は、大きめのタッパーなどでも大丈夫です。
また、お好みで隠し味に蜂蜜やみりんなどを加えても。
では続いて、具体的な手順を見ていきましょう。
金山寺味噌の作り方・手順
金山寺味噌の作り方は、次の手順で進めます。
- 野菜を好みの大きさに刻む
- 生姜と昆布を細かく刻む
- ボウルに焼酎を少し吹きかけて拭く
- ボウルに 金山寺こうじと塩を入れる
- 金山寺こうじを手でほぐしながら、まんべんなく混ぜ合わせる
- 砂糖を入れてさらにまんべんなく混ぜ合わせる
- 漬け込み用の容器に焼酎を少し吹きかけて拭く
- 消毒した浸け込み用の容器に全ての材料を入れ、手でまんべんなく混ぜ合わせる
- 混ぜたら空気を抜くように上から押して、ラップなどで覆う
- 中蓋をして重石をする
- 重石の上から焼酎を少し吹きかけて蓋をする
- 冷暗所に置いて熟成・発酵させる
- 蓋を取り、出てきた水分を取れば金山寺味噌の出来上がり!
野菜や具の種類は好みで調整してください。
水分の多いなすなどの野菜は、塩もみをした後、絞って入れましょう。
昆布を刻むのが大変、という場合は刻み昆布を使うのもおすすめです。
金山寺味噌は、早ければ仕込みから1ヶ月程度で食べることができます。
金山寺味噌を熟成・発酵させる期間は、一般的には、1ヶ月~3ヶ月、または半年程度の期間だといわれています。
中には1週間程度で食べることができる金山寺味噌もあるとか。
それでも、金山寺味噌は長い期間、熟成・発酵させるとまろやかで美味しくなります。
ですので、あくまでも期間は好みです。
まずは1ヶ月程度で様子を見てみるのも良いですね。
出来上がった金山寺味噌の上に出てきた水分は、醤油代わりに料理に使うことができます。
捨てずに保存しましょう。
ところで、金山寺味噌ともろみには、どのような違いがあるのでしょうか。
金山寺味噌ともろみとの違いは?
金山寺味噌ともろみは、よく同じものだと間違えられます。
でも、厳密には金山寺味噌ともろみは別のものです。
金山寺味噌ともろみとの違いは、野菜が入っているかどうかの違いです。
例えば、もろみも「もろみ味噌」と呼びます。
そもそも、もろみは味噌や醤油を作る時に熟成・発酵してできる原料の穀物が柔らかくなったもの。
ギュッと絞った液体が醤油になります。
ただし、現在、市販されているもろみは、最初からそのまま食べるために作られています。
きゅうりに乗せる「もろみきゅうり」がよく知られていますよね。
そして、金山寺味噌も最初からそのまま食べるために作られています。
金山寺味噌ともろみは、どちらも「おかず味噌(なめ味噌)」なのです。
美味しく食べるための「おかず味噌(なめ味噌)」ですので、砂糖などの調味料が入っています。
つまり、もろみ味噌に見えても、野菜が入っていれば金山寺味噌となります。
まとめ
今回は、金山寺味噌とはどのような味噌なのか、食べ方や作り方とともにご紹介しました。
金山寺味噌ともろみとの違いは、穀物以外に野菜が入っているかどうかの違いでした。
意外と単純な違いですね。
日本人には欠かせない、美味しくて大切な味噌。
たくさんの種類がある中で、金山寺味噌もとっても美味しい味噌です。
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金山寺味噌の食べ方はたくさんありますが、私はなんといっても、炊き立てのご飯に金山寺味噌をそのまま乗せて食べるのが一番お気に入りの食べ方です。
そして今日も言います。
「ご飯美味しいね!」
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